がんと誤判定肺切除 国立がんセンター中央病院-共同通信

 国立がんセンター中央病院(東京都中央区)は22日、患者3人から採取した細胞を検査する際に検体を取り違え、60代の男性を誤って肺がんと判定、今月初旬に右肺の約3分の1を切除する医療ミスが起きたと発表した。
 男性は既に退院し、手術が必要ない慢性炎症性腫瘤(しゅりゅう)と分かった。同病院は、検査技師が検体に患者識別のシールを張り間違え、確認も怠ったのが原因とみている。外部の専門家を含む事故調査委員会を設置し、原因究明や再発防止策を検討する。
 野村和弘病院長は記者会見で「コンピューター断層撮影(CT)検査で肺がんを強く疑わせる所見があり、細胞検査が陰性でも切除が強く推奨されるケース。しかし経過観察という選択肢もあり、選択の機会を奪うことになった」と謝罪した。
 他の2患者のうち、「がんの疑い」とされた1人は手術を受けがんと確定、「良性」の1人は診療に影響なかった。